「やること地獄」を終わらせるタスク管理「超」入門

『「やること地獄」を終わらせるタスク管理「超」入門』倉下忠憲(著)

書評
執筆責任者:けろたん
寝坊する。生活リズムが狂っているから。締切が守れない。労力とできることの見積もりができないから。日々の生活から学業、仕事までやらなければならないことは山のようにある。そんなあなたがまずはじめに注力すべきなのは本書に書かれているタスク管理。やるべきことがどんどん片付いていく。毎回失敗していたダイエットでは体脂肪率が急落し、筋トレでもはじめてみればみるみるうちにボディビルダー。仕事ではメキメキ能率が上がり、金運アップでウハウハ。恋愛運も向上し、異性はメロメロ。おめでとう、よかったね。まぁ、そんなパワーストーンのようなものはこの世に存在しない。でもタスク管理が役に立つのは本当。我々は貴族ではなく、時間と注意力という資源には限りがある。本書では、行動を管理する「タスク管理」もまたタスクであり失敗しうること、そしてタスク管理を始めとした知的生産術にも限界がある、といういたって真面目な立場からタスク管理に有用な数々の概念、テクニックが紹介される。タスク管理の概要を説明する1,2章では、タスク管理が何であり、なんのために必要とされるか改めて確認できる。3,4,5,6章では「タスク管理の道具箱」と題してタスク管理という作業を捉えるための用語が網羅的に紹介される。タスクとtodoといった用語を使い分けて自分が本当にやるべきことの把握に役立てたり、不必要なものには注意を邪魔されず必要なものは忘れないためにリストを使う方法も説明される。スマホアプリで簡単に実践できるものも多い。ポモドーロ法やGet Thing Doneなど、決めたタスクを実行するためのテクニックが紹介されるのは6章だ。最後の7,8,9章では、タスク管理の失敗を乗り越えるための心構えが語られる。正直なところちょくちょく挟まれる自己啓発本や心理学の引用はうるさいが、自分を動かすための知識を身につけるのにおすすめの一冊。
(793文字)

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基礎教養部

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