教育思想 発生とその展開

『教育思想 発生とその展開』村井実(著)

書評
執筆責任者:シト
今回、私が紹介するのは『教育思想 発生とその展開 上』だ。教育は誰もが経験している。教育は誰もが経験し、自身の体験を大切にしている。しかし、その体験は一般化できることなのだろうか。教育と聞くと教え教えられ学ぶということを考えるだろう。しかし、その根底にあるものが同じではないことはよくあることだ。何を教え学ばせるのか、どのようにそれを展開させるのか、そもそもなんのために行うのか。国それぞれで教育を行っている時点でそれが様々存在することはわかるだろう。教育という言葉でひとくくりにされているが、それには様々な種類があり、それをどのように捉えていけばいいのか。これがこの本に書かれていることだ。教育を勉強すると様々な歴史を学ぶことになる。これまでの展開についての教育史から西洋や日本におけるもの、根底にあったものの展開についての思想史など様々なものが挙げられる。しかし、このように分かれていることもあり、個別のものが展開されているようなものとなっている。教育全体として、どのようなものなのかという共通の何かがわからないようになってしまっている。この本は、これらにつながりを生み、歴史に即して展開することで、教育がどのように発生し、どのような問題が生じ、どのように受け止め対処してきたのか、また、そこから現在のような様々な教育がどのように生まれ意味を持ったのか、そして、それらを踏まえたうえで、これからの教育をどうすることができるのかという、教育思想の源流をわかりやすく解説している。ソクラテスとプラトンを中心に教育思想の型を作り、それを中心に内容が組まれているため、比較的読みやすくなっている。教育の根本に興味がある人や、教育を学んでよくわからなくなっている人にぜひおすすめしたい。
(740文字)

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基礎教養部

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