運動脳

『運動脳』アンデシュ・ハンセン(著) 御舩 由美子(翻訳)

書評
執筆責任者:Daiki
やらなければならないことが頭の片隅にはありながら、ダラダラ過ごして1日が終わる。休日にやるべきだったタスクをやっていなかったがために、平日はそれを常に頭に抱え込んで、日中ぼーっとしてしまう。つい最近までそんな日々を送っていた。そこで、なんとかこの状態を打開しようと激しめの運動を始め、運動を続けるモチベーションになればと本書を読むことにした。本書の著者は“2021年最も売れた本”である『スマホ脳』を書いた精神科医だ。容易に想像できると思うが、本書で言っていることは、「“脳力”を高めたいなら運動がいい」というこの一点である。様々な研究結果や論文を引用して運動、特に有酸素運動をすることでのメリットが書かれている。運動は健康にいいということはみんなが知っているはずなのに、歳を重ねるごとになかなか運動しようという気になれないという人も多いかと思う。そんな人たちにいくら運動が健康にいいと謳っても、なんだかんだ自分に言い訳をして動き出さないと思うが、本書を読み終えた直後はきっと体を動かしたくてうずうずしてしまうことだろう。運動が脳に与えるメリットをこれだけ書いてくれていたら、運動嫌いな人でも少しは体を動かしたくなってくるはずだ。健康やボディメイクが目的で運動をしようと思うと長期的にやらなければならないと気が遠くなってしまうが、運動することで創造性や意欲の向上がその瞬間から見込めるというのは魅力的に感じた。サラッと読めるので、日常的に運動をしている人にもおすすめできる。読む前と読んだ後では運動に対するハードルが変わってくるだろう。運動のモチベーションが下がってきたタイミングで定期的に読みたい一冊である。
(705文字)

追加記事 -note-

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

ジェイラボ
基礎教養部

コメント

コメントする

目次