「タバコと酒」の健康常識はウソだらけ

『「タバコと酒」の健康常識はウソだらけ』橋内章(著)

書評
執筆責任者:chiffon cake
最近、高校の同級生と話をした際、タバコ吸っている人は無理と心底嫌っていることがわかった。私は怖くて喫煙者であることを隠してしまった。今のご時世、肩身が狭い喫煙者に反論の余地はないのだろうか。書評の時期が訪れたので本書を購入してみた。タイトルからはタバコと酒の両方について語るのかと勘違いしそうだが、ほぼタバコに焦点を置かれている。酒の話もしているがタバコを立てるのが役割だろう。この本の魅力だが、新書でちょっとした病気に関する話を知れることである。タバコが体に悪いくないという反論も10年近く前までぎりぎりまかり通っていたのだろうが、現代で通じるかといえばかなり渋い。序盤はためになる話が聞けて楽しく読める。けれど徐々にタバコ擁護派の“我”が顔を出してくる。最後らへんの内容に至っては過激かもしれない。ただ純粋な知識パートは面白いので読んで無駄な感じはしない。ただ知識といっても歴史的な出来事や確立された知識だけである。データに対する著者の解釈は半分ほど正しく、もう半分は間違いのように感じた。前者はタバコが体に害であるー害であるのは認めるがーとするデータの解釈に対する反論部分。逆に、後者はタバコが体にいいものだと主張する部分。学問において、対立する考えを持つ両者が、不足なデータで自らの正当性を誇張している状況に似ている。ただ、基本的にタバコが害であるのは周知の事実なので、著者による反論部分のみ拾って読み、タバコを過度に褒め称える文は流すくらいが塩梅だろう。ちなみに私が著者に賛同できる点は、タバコより酒の方が危険なのではないか、タバコは美味い、と2つだけだ。太るし、頭は鈍くなるし、酔って下手な失敗をするし、ろくなことがない。タバコは他人がいないところで吸ってさえいれば、あとは健康に関する自己責任だけだ。ワインが体にいいなぞ、ほかにもポリフェノールを取る手段はいくらでもあるだろう。
(796文字)

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基礎教養部

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